坂本龍一さんの演奏をフランス・Metz(メッス)で聴いてきました

今日は朝からパリを離れてMetz(メッス)へ坂本龍一さんのコンサートを聴きに行ってきました。

パリ東駅からメッスまではTGV(日本の新幹線みたいなもの)で1時間半くらい。

TGVの座席(class1)にはコンセントもついているので、スマホも充電できるし快適です。

コンサートの会場となっていたたメッスのポンピドゥー・センターは、駅を出てすぐの場所にあります。

ポンピドゥー・センター・メッス
http://www.centrepompidou-metz.fr/

この場所は『芸術や想像の可能性を広げ、人々が交流できる場となること』を目的として作られた文化複合施設だそう。

また、この建物独特の柔らか〜いフォルムは日本の会社の技術が生かされているそうで、ヨーロッパ初の「光触媒膜材」を使用した大型膜構造施設だとか。

に、日本すごい。。。

この斬新な建物の設計は、ジャン・ド・ガスティーヌと世界各地でユニークな建築物をつくっておられる坂茂(ばん しげる)の日仏共同チームによって行われたものです。

木のぬくもりがあるとやっぱり落ち着きますね。

2015年に完成したばかりということで、とても新しくきれいな館内が印象的でした。

パリのポンピドゥー・センターの分館にあたるメッスのポンピドゥー・センター。

これは、スペインの都市・ビルバオ市が実施した都市再生計画を模範としたものだそう。

詳しくはこちらのPDFをどうぞ。

こういう文化政策を基盤とした都市再生計画にはすごく興味があって、わたしも音楽をやっている身だということはもちろん、大切に思うふるさと・京都府福知山市の存在があることが大きいです。

今回メッスのポンピドゥー・センターを訪れたのは偶然だったけど、こういう事例が知れたのは嬉しかったです。

会場で行われていた展示も少しだけ鑑賞しました。

ここは『カラーの冒険』を題材にした展示で、カラフルで見ているだけで元気になる作品がたくさん。

2017年9月から2018年の5月まで、近代建築史から現代まで、新しい視点から日本を紹介する3つの展覧会と10の舞台芸術公演が開催されているそうで、日本人の作品も多くありました。


菅木志雄《周位律》《Law of Peripheral Units》(1997/2017)

他の作品はインスタで#pompidoumetzというハッシュタグを見ると色々見ることができます。

#Pompidoumetz avec 🐊

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« 3 en 1 » 🎭………. #art #photography #paint #pompidoumetz

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ミュージアムショップにも日本のものがたくさん。

今回の旅のメインとなるコンサートの会場は、300人くらいの客席が用意してあるスペースでした。

終演後の舞台

舞台となる場所には、大きなスクリーンが1つあり、その前に天板を取ったピアノ、チェロ、エレキギター、初めて見る楽器(というか音のなるものと言った方がいいのかもしれない)がたくさん置いてありました。

こんな感じで録音された音楽+映像+生音が重なっている演奏でした。

音楽はこちらの動画が近かったように思います。

『À propos de DIS-PLAY
Installation sonore & Performance』

という言葉がパンフレットに書いてありました。

アンスタラスィオン(Installation)という言葉が最初ピンとこなかったんですが、Wikipediaによると『1970年以降に一般化した、絵画・彫刻・映像・写真などと並ぶ現代美術における表現手法やジャンルのことで、ある特定の室内や屋外などにオブジェや装置を置いて、作家の意向に沿って空間を構成し変化させ、場所や空間全体を作品として体験させる芸術』だそう。

ソノール(sonore)には『よく響く、音の、音声の』などの意味があるので、“音による空間体験”ということでしょうか。

わたしは冒頭に『コンサートを聴きに行ってきました』と書いたけど、音楽の新境地という言葉がまさに相応しい体験をしました。

2017年、坂本龍一はわれわれに新境地をのぞかせた。8年ぶりに発表した新作アルバム『async』では、雨や風の音、金属音、擦れや残響、朗読する人の声などをサンプリングし、“楽器で演奏していない音”を音楽化することに挑戦。一方、その楽曲を14チャンネルの音響システムで再現し、映像などの表現も組み合わせたインスタレーション作品「設置音楽」として、展覧会形式で披露した。現在、その「設置音楽」シリーズの続編で、『async』から続く一連のプロジェクトの最新版とも言える《IS YOUR TIME》が、東京・初台のICCで公開されている。
引用:https://www.tjapan.jp/ART/ryuichi-sakamoto-17

ちなみに、アルバム『async』はこちら。

また、現在、東京にあるNTTインターコミュニケーション・センターで開かれている『坂本龍一 with 高谷史郎|設置音楽2  IS YOUR TIME』という展示会が行われています。

この展示会に寄せて坂本さんが寄せられた言葉は、今日わたしが感じた感覚とものすごく似ていたように思います。

もとはモノだったものが,人によって変形され,時間とともに,あるいは巨大な自然の力によってまたモノに還っていく.

都市もそうだ.都市の素材も鉄,ガラス,コンクリートなど,もとはみな自然のモノ.それらを人は惑星各地から集積し,あたかも彫刻のように形を与えていく.しかしそれも時間の経過とともに,モノに還っていく.

自分が住んでいるマンハッタンを見ていて,以前からそう思えて仕方なかった.これは単なる個人の妄想ではないんだと最近は思うようになった.

坂本龍一

自分が何かに、何処かに還っていくような不思議な感覚でした。

終演後に、舞台の楽器たちを間近で見ることができました。

坂本さんの演奏を生で聴いたのは今回が初めてで、近くにいるのに遠く、あらゆる思考を奪われるような時間でした。

こういうすばらしい芸術に触れられることを喜ぶ自分がいる一方で、美しいものに触れるたびに果てしなく続く途方も無い芸術の旅を感じます。

帰りに、駅の反対側へ行ってみました。

ポンピドゥー・センターがある方はかなり近代的な印象だったのに対して、フランスの昔ながらの街並みが広がっていて、いつも見ているパリの風景を思い出して、なんだかホッとしました。

朝パリを出て、あっという間に1日が終わりました。

いつも迎えてくれるのは家の近くにあるエッフェル塔。見るだけで元気が出てくるので不思議です。

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