『伝えること』を重視する美術の人、重視しない音楽の人

同じ芸術の分野である美術と音楽。

美術に携わる人々は『世界観を伝えること』により敏感で、音楽に携わる人々は『良いものをつくること』に注力しすぎているように感じています。

その事実は変わらないことだし、わたし1人の力でどうこう出来ることじゃないって分かってるんですが、たまにすごく感情が行き場をなくしてしまうときがあって、こんなツイートをしたら、たくさんの方が同意してくれました。

まさに私が言いたかったことを代弁してくれている人もいました。

他にもこんな反応をいただきました。

ただ、私のツイートに『そうだよね』と思う音楽界の人がいても、実際行動に起こすかというと、かなりの人々が行動に起こさないと思うんですよね。

それは良い音楽をつくることが一番大事だと思っている人があまりに多いからだと思うんです。

良い音楽をつくることが「一番」大事?

音楽界にいて、良い音楽をつくりたいと思うのは当たり前だし、そのことを第一に考えるのはとても大切なことです。

ただ、良い音楽をつくったなら、なおさらより多くの人に聞いてもらいたいと思うのではないでしょうか?

わたしは「良い音楽をつくること」と「良い音楽を届けること」はセットで一番大切だと考えています。

そしてそのよい音楽を『伝える』ときに必ず必要になってくるのがデザインの力なんです。

「お金がないから」と削られるデザイン

ただ、デザインをするには当然ですがお金がかかります。

なぜそこにお金が発生するか?

ということは、長い間時間とお金をかけて「音楽の力」を会得して来た音楽家ならわかると思いますが、「デザインの力」を会得するには同じように時間とお金がかかります。

ただ、デザインの持つ力を理解していない人は、そこにお金をかける意義を理解することが出来ません。

日常生活で「情報の受け取り手」に回っていることがたくさんあるのに、そのときに思考を巡らせていない音楽界の人があまりにも多いのです。

身につけているもの、今日食べたものなど、それらを選択した理由が絶対あるはずで、そこにデザインが大きく影響しています。

文章を見て決めた、という人もいるかもしれませんが、そのときにどんなフォントを使っていたのか?文字の色は?文字間の空白は?

と考えると、そこにもちゃんとデザインの力が働いているんです。

情報の受け取り手にとって優しいことを考えよう

例えば、SNSで演奏動画を拡散するときも、ただYouTube動画のURLを貼り付けるよりも、こんな風に動画ですぐに再生できるように直接動画を貼り付ける方がいいんですよね。

それはYouTubeのURLにアクセスするあの『数秒』を、多くの人はもう『長い』と感じているから。

これも誰かの演奏動画を再生する機会があって、そのときに感じたことについてしっかり考えていれば、それを真似するはずなんですよね。

常に情報の受け手であり、発信者でもあるわたしたちは、いいな、と思ったものがあれば『何がいいと感じたのか』を具体的に言語化することで意識を変え、行動も変えることができるのだと思います。

『伝えること』を重視する美術の人、重視しない音楽の人

デザインに携わるような「美術の人」たちは日頃からご自身のデザインが何を誰に伝えたいのか?ということを考えておられるからか、すごく『伝えること』に敏感です。

でも、同じ芸術の分野でもそれが音楽となると同じように『伝えること』の大切さを力説しても実際全然反応がありません。

わたし自身、昔はアプリでチラシを作っていたこともありましたが、そのうちにアプリで作る告知画像だと『伝えたい音楽の内容が伝わらないなぁ』と思うようになりました。

何か大きなきっかけがあったわけではなく、いろんなチラシを手に取った際に感じることをたくさん考えているうちに、自然とそんな思考へ変わっていきました。

でも、そういうことを常にそういうことを考えていないと、情報を受け取った人にとって何が優しいのか?そういう想像力をいつまでたってもつかないのかもしれません。

デザインはその人が音楽に対してどんな思いを持っているのかを具体化してくれる大切な存在です。

音楽界の人々がもっと『伝える力』の重要性に気付き、思いが伝わるデザインと共に活動したら、今よりも音楽を楽しむ人はリアルに増えるんじゃないかな?と思うんですよね。

だからみんな、もっと気付いて欲しいし、気付いたら行動を起こして欲しいなぁ。

The following two tabs change content below.
吉田佐和子
パリ在住の福知山を愛しすぎているクラリネット奏者。京都府福知山市の魅力発信WEBマガジン『ふくてぃーやま』編集長。アルバム収録曲はiTunes,Spotify,YouTubeチャンネルで聴いてくださいね。
ファンクラブ募集
by
関連記事