パリのプティ・パレ(パリ市立美術館)で行われていた『ロンドンの印象派たち』という展示を見てきました。
特に印象に残った作品は、モネがロンドンの国会議事堂を描いた作品。
モネは、1899年から3度にわたってロンドンを訪れ、100点あまりの作品を描いたそうです。
モネはこの霧もたいそう気に入っていたようです。
少しずつ描いた時間が違っていて、霧のかかりかたが違いますね。
実際は、当時燃料として消費されていた石炭の煙やすすなどが混じっていたそうなので、少し黒がかった色だったのかもしれません。
ちなみにモネがロンドンに行ったのと同じ頃ー1900年から約2年間ロンドンに留学した夏目漱石は、「外出から戻り、痰をはくと黒い塊が出てきて驚いた」と日記に記していたそうです。
霧やスモッグを通して自然の光が生み出した景色を描いたモネ。
その美しい色合いの裏で急速に成長する社会も感じることができる作品たちでした。
この展覧会はまだしばらくやっているので、もう一度行きたいと思います。