日本での滞在を終え、パリに帰ってきてすぐ始まったプロコフィエフの『ピーターと狼(Pierre et le loup)』のリハーサル。
無事に全10公演が終了しました。
こちらはコンセルヴァトワールでの公演用のチラシです。
わたしの通っているセルジーポントワーズ地方音楽院は割とコンサートが多いので、わたしはまだ1年目ですが既にいくつもの学内コンサートに参加してきました。
この作品はフランスでは子供向けのコンサートとしてとても有名でだそうで、小さな子供たちがたくさん鑑賞してくれました。
平日は「工場(usine)」という名前のついた劇場で、土日はコンセルヴァトワールでの本番でした。
左手にある舞台で3人の役者さんがセリフを言いながら、登場人物の人形を動かします。
劇場の楽屋には差し入れも。
バナナやミカンがあったのがフランスっぽいなぁと思いました。
バナナは腹持ちもいいですし、スナック菓子を食べるよりずっと健康にもいいですよね。(でも日本人はバナナを持ち歩くことは日常的にはないので、友達と一緒に電車に乗っていてカバンからバナナが出てきたときなどは相変わらず少しびっくりします)
ここでみんな本番前の時間を過ごしていました。
誰もいなかったので楽屋の様子を撮ってみました。
平日は基本的に毎日2回公演だったんですが、3時間もあいだがあったので近くのスーパーやパン屋さんに出演者の子と行ったり、マクドナルドへ行ったりしてました。
春を感じるあたたかい日差しを感じるときもあって、うれしかったなぁ。
週末は、会場が劇場からコンセルヴァトワールに変わりました。
『今日「ピーターと狼」の公演があるので練習したいんです』と練習室を管理しておられる事務の方に伝えると、大きくて明るいお部屋を用意していただけました。
コンセルヴァトワールでは手回しオルガンのコンサートも開催されたんですが、モーツァルトから近代の曲まで様々な曲を聴くことが出来ました。
なんてことない顔でPierreはずっとオルガンを回していましたが、一体どんな筋肉してるんだろう…すごい。
最終公演まであと1回、というところで演出の方が「僕が来るのは今日が最後だから」とお花をくださいました。
今回の公演、アジア人はもちろんわたしだけで、フランス語がうまく理解出来なくて迷惑をかけたときもあったと思うけど、もっと頑張って勉強したいと強く感じることが出来ました。
常に学べる場にいられる幸せというのはパリに来て何度も感じています。
『ピーターと狼』のクラリネットの譜面にはオーケストラのオーディション課題にもなるような難しいフレーズがあり、そこだけは本当に毎回ドキドキしながら演奏していました。
うれしいことも悔しいこともあったけど、色んな感情を得ることが出来たことに感謝だなぁ、と最終公演が始まるときに感じることが出来ました。
はるか昔、音大生の頃は人前で失敗するのが怖くて、2年生くらいから挑戦することが怖くなってしまいました。
1年生の後期の試験で自分の実力的に無理がない曲を選んで良い成績が取れたことで『わたしは実力より上の作品を選んでも良い成績が取れないんじゃないか』と思っていたこともありました。
でも、今はとにかく挑戦するくせを身に付けたいと思っています。
もし失敗しても、チャレンジしなかった自分より、チャレンジして失敗した自分の方がいいと思えたり、チャレンジしなかったことを後悔するくらいなら、絶対挑戦した方がいいって、いまは思えるんですけどね。
次は4月12日にパリで初めて行う自主企画のコンサートに向けて準備をしていきたいと思います!