2012年の秋、わたしはフランス留学をするための下見に行っていました。
フランスへの留学を考え始めたのは、音大を卒業して1年非常勤講師として働いた23歳くらいだったと思います。
フリーランスとして1年間活動してみたんですが『このままのペースで活動してても、自分は全然上手くならない!』と感じていた頃でした。
そこで考えたのは、環境を変えること。
もっと厳しい場所で、しっかり音楽を学び直したいと考えました。
そして、環境を変えるためにぴったりな場所は?と考えたときに、大学院に入ったり、日本のクラリネット奏者に師事するのではなく、フランスに留学したい!と思うようになったんです。
ちなみに、留学希望先にフランスを選んだ理由は、当時使っていた楽器がビュッフェ・クランポンというフランスに本社がある楽器だったということと、知り合いで留学している人が多かったからという単純な理由から。
憧れている奏者や、師事したい先生がいるわけではありませんでした。
ちなみに、クラリネットで留学を考えている人は師事したい先生や、自分の楽器の種類など、いろんなことを基準に国を選ぶわけですが、わたしの知り合いで海外に行っている人はフランス・ドイツ・アメリカ・スイスなどが多いです。
とりあえずネットで検索してみた
フランス留学に興味を持ったわたしは、とりあえず『フランス 音大 留学』というキーワードをネットで検索してみました。
すると、トップにでてきたのが『アンドビジョン』という会社でした。
そのサイトで、フランスにはいろんな音大があることを知り、アンドビジョンを通して依頼すれば、その音大の先生にレッスンを受けることができるということも知りました。
そこからアンドビジョンに資料を請求し(たくさん選択肢があって迷っただけだった)、下記のことを頼むことにしました。
①3週間ホームステイする場所を探してもらうこと
②レッスンを受ける先生に連絡をとってもらうこと
③レッスンを受ける際の通訳の方の手配
これにかかった費用は20万ほどだったと思います。
ちなみに航空券は別なので、私の3週間の滞在には、フランスでの滞在費用を含めると40万くらいかかったと思います。
レッスンを受けた2人の先生
フランスの音大に通うのであれば、誰に師事するのか、先生を決めなければいけません。
私はアンドビジョンを通して、ギィ・ドゥプリュ先生のレッスンを受けることにしました。
とりあえず知り合いが多く通っていたパリのエコールノルマルという音楽院に入って、そこから先どうするかはフランスに行ってから決めればいい、くらいにざっくりと考えていたこともあり、まずはレッスンを受けてみることに。
ギィ・ドゥプリュ先生のレッスンは2回受けました。
私はフランス語を全然話せないので、通訳の方を頼んで先生の指示を訳してもらいながら、レッスンを受けました。
レッスンでは、モーツァルトやドビュッシーを見ていただきました。
楽曲や奏法に対するアプローチ方法を丁寧に教えていただいたものの、わたしの音楽に対してどう思うか?ということは特にコメントされませんでした。
今思えば「この作曲家の音楽だからこうしなきゃいけない」という思いが強くて、この音楽をこう表現したい!という欲求がなかったことも原因かもしれません。
フランス滞在中には、既にエコールノルマルで学んでいた知り合いの先輩に紹介してもらい、ギィ・ダンガン先生のレッスンも受けました。
ギィ・ダンガン先生はさまざまな楽譜の監修をされている方でもあります。
エコールノルマルは日本人をはじめアジア人が結構多い学校で、いろんなレベルがあります。
レッスンをみていただいて「佐和子ならこのクラスから入ればいいよ」とアドバイスをいただきました。
ギィ・ダンガン先生はとても褒めるのが上手で、レッスンで褒められるということに慣れていなかった私はびっくりしました。
この頃の私は、自分のことをむちゃくちゃ下手だと思っていたんです。
下手だからレッスンを受けなきゃいけない、下手だからこのままじゃないけない!とばかり思っていました。
今ではそんな考え方はしないのですが、こんなレッスンをしてくれる先生もいるのだなぁ。とびっくりしました。
私は大学を卒業してから積極的にいろんな先生にレッスンを受けにいくようになったのですが、音大在学中はマスタークラスやプライベートレッスンなどにもあまり行かず、今思えばかなり閉ざされた世界にいたんですよね。
これはもう、本当に断言出来るんですが、レッスンはいろんな先生に受けて、自分に合う先生を探した方がいいです。
3週間の暮らしをざっくりと
ホームステイ先にたどり着くためにアンドビジョンから渡されたホームステイ先の住所や、空港からお家までの経路を示す紙は、詳細なわけではなく、極めて普通の地図でした。
私は結構夜にお家に到着する便を予約してしまったのですが、お昼くらいにつく便の方が絶対オススメします。
暗くなると、街の様子もわからないし、住所見るのも大変です。
フランス語が全くできない私でしたが、もう1人私より前からホームステイしているピアノ専攻の日本人の女の子がいて、救われました。
彼女は私よりもずっとフランス語ができたのです。
その子とは1週間半くらい一緒だったので、かなり助けてもらいました。
ちなみに、フランスにいるあいだ、美術館に行ったり、歴史的な建物に行ったりはしましたが、結構家で練習している時間も多かったです。
ホームステイ先では、朝ごはん用にパンやバナナ、ジャムやゆで卵などを出してもらっていましたが、昼食と夕食は自分で調達することになっていて、お金を節約するために近所のスーパーで食材を買ったりしてました。
フランスで出会った2人の先輩
フランス留学に関する知識が圧倒的に欠けていると感じていたので、フランスにおられる日本で知り合った2人のクラリネットの先輩に会いに行きました。
そこで聞いた話として衝撃的だったのが、アンドビジョンに相談する前に現地にいる先輩に相談すれば、アンドビジョンで紹介する先生のレッスンを受けることも可能だし、もっと他の先生にレッスンを習うことも可能だったということ。
『もうちょっと早く言ってくれれば良かったのにー』
と言われました。。。
これにはびっくり。
そして、先輩方にはこんなことを聞いてた気がします。
・フランスに来られたきっかけは?
・なぜ今の先生に師事しようと思ったのか?
・どんな生活をされているのか?
・わたしはこれからどうすればいいでしょう?
さいごのは、自分で考えろ!ってやつですね(汗)
わかったのは、フランスでしか得られないものは必ずあるし、留学は行けるときに行くべきだということです。
まとめ
このときのことを振り返ってみて、留学したい先に知り合いがいなかったり、お金に余裕がある人は最初からアンドビジョンを使うといいと思うんですが、もし知り合いがいる場合などは少し工夫するだけで、費用を安くすることは可能だったかもしれません。
・情報収集が圧倒的に足りてなかった
→情報がない=損をする可能性大!
・アンドビジョンに相談する前に現地にいる先輩に相談すれば、場合によってはアンドビジョンで紹介する先生のレッスンを受けることも可能
→短期留学も含め、現地に知り合いがいる場合は何か情報を掴むことが大事!
留学を考えておられる方は事前のリサーチをお忘れなく!
アンドビジョンに関しては、私の知り合いで、本格的にフランスに留学するとなった際に、いろいろ面倒な手続きをアンドビジョンに任せた、という人もいましたし、フランスについて何も知識がなかった私が3週間も滞在できたのは、何よりアンドビジョンのおかげです。
留学を考えている人はぜひ色んな情報を仕入れるようにしてみてくださいね。