パリに留学したい!と思っている日本人の方は多いと思うんですが、日本にいると全然情報が入ってこないので30歳で留学を考えている人は私立だけを候補にあげている人もいるのではないでしょうか。
わたしは昨年・2018年の10月から2019年の6月までパリ郊外にあるセルジーポントワーズ地方音楽院へ行っていました。
音楽院を受験した時の年齢は32歳でしたが、入ることが出来ました。
ちなみに通常パリの音楽院は9月始まりの翌年6月終わりなんですが、わたしの場合10月に入試があったため10月から6月の在籍になりました。
今回はパリに留学を考えている30歳くらいの方に向けて記事を書きましたので、ぜひ読んでいただければと思います。
入学出来る年齢は学校によって違う
わたしがパリに住むことになったきっかけは夫の転勤だったのと、パリに住む以前は日本で既にプロとして活動していたこともあり、パリに住み始めた当初は音楽院に通うことは全く考えていませんでした。
また、そのとき既に31歳だったこともあり『音楽院に行くなら私立しかないんだろうな』と思っていました。
でも、実際に音楽院について色々調べてみると、音楽院や課程によって年齢制限は違うということが分かりました。
もちろんパリ国立高等音楽院やパリ地方音楽院などに入ることは年齢制限もあり難しいのですが、わたしはセルジーポントワーズ地方音楽院のマスター課程に在籍することが出来ました。
パリのコンセルヴァトワールには学校や学部、そして楽器によって年齢制限があるところが違います。
例えばパリで最難関と言われるパリ国立高等音楽・舞踊学校(Conservatoire National Supérieur de Musique et de Danse de Paris=略してCNSMDP)の1er Cycle Supérieurは下記のような年齢制限があります。
【例】1er Cycle Supérieur課程の年齢制限
21歳以下 | ピアノ、ヴァイオリン、チェロ、フルート、ハープ |
---|---|
22歳未満 | クラリネット、サクソフォン、オーボエ、ギター、チューバ、ホルン、卜ランペット、コン卜ラバス、ヴィオラ、アコ一ディオン、トロンボーン、パーカッション、オルガン |
パリの音楽院の受験を考えている人は、師事したい先生がいる音楽院を受験することになると思うのですが、わたしのように30歳を過ぎても習うことが出来る場所はあります。
まずは、習いたい先生を決めて受験可能か聞いてみましょう。
大手留学斡旋業者に相談したときに言われたこと
わたしは以前『フランス 音楽留学』で検索したら必ず出てくる大手留学斡旋サイトに「私の年齢で入れる音楽院はありますか?」と尋ねたことがあります。
でも、そのときには『地方音楽院の場合は年齢制限がしっかり決まっているので、候補としては考えにくいかもしれませんね』と言われました。
2年前に某大手留学支援会社に「わたしの年齢(31歳)で入学出来る音楽院はありますか?」と問い合わせたところ『地方音楽院の場合は年齢制限がしっかり決まっているので、候補としては考えにくいかもしれませんね』と返事が返ってきましたが、現在セルジーポントワーズ地方音楽院に通ってます。→
— 吉田 佐和子 Sawako Yoshida (@sawaclarinet) March 22, 2019
「留学のプロがそう言ってるんだから、私立に絞って考えるしかないんだな」とそのときは思っていたのですが、実際にわたしはそのあとセルジーポントワーズ地方音楽院に入学しました。
私立の学校を斡旋すれば、その企業に何か手数料のようなものが入るのかもしれませんが、いま思うととても不誠実な対応だったと思います。
ちなみに、パリ在住歴が10年を超えるフルーティストの今井貴子さんはこんな風に仰っていました。
こちらが長いと留学相談受けることも多いですが、確かに年齢制限を設けている所多いんですよね。ただ内部規定なので、変わることもあるし、募集要項に書いてあるので、募集要項を自分で読む事が必然だと思っています。外部に頼む場合はその募集要項を見せるのが一番かと。あと学校に直接メール!
— 今井貴子 (@takakoimai_fl) March 22, 2019
確かに規定は変わることもありますし、募集要項をしっかり確認することが大切ですね。
ちなみに、わたしは受験した際に年齢制限が書かれた募集要項などは見ていませんでした😅
もちろん受験要項を熟知した先生と事前にコンタクトはとっていて、先生が『君はセルジーポントワーズ地方音楽院で学べるよ』と仰ってくださったので大丈夫だったのですが..
最初は音楽院のHPを見るだけでも大変だと思いますが、フランス語の勉強にもなるので時間をかけても良いのでゆっくり見てみてくださいね。
パリの私立の音楽院は2つ
ちなみに、パリにある私立の音楽院は2つあります。
パリ・エコール・ノルマル音楽院
http://www.ecolenormalecortot.com/ja/
スコラカントルム音楽院
https://www.schola-cantorum.com/fr/
スコラカントルムに関してはあまり情報がないのですが、基本的に私立は授業料が高いため、エコール・ノルマルはフランス人よりもアジア人やフランス以外の国から来ている人が多いそうです。
とはいえ、エコール・ノルマル音楽院の授業料は日本の私立音楽大学に比べると全然安く、学費自体は年間30万円ほど、初年度は登録料などがかかることもあり、それらの経費と学費を合わせて年間40万円ほどかかるそうです。
ちなみにわたしが通った音楽院の学費などはこちらの記事に書いています。
さいごに
わたしは長い人生の中で一年でも留学する意味はあると思っています。
いまわたしは33歳ですが、あと50年は楽器を吹いていたいと思っています。
わたしがパリに住めるのは3年間だけですが、この既に過ごした2年間3ヶ月の月日はわたしの価値観や人生観を大きく変えてくれました。
もしパリに留学を考えている人がいたら、全力で応援したいのでいつでも各SNSのアカウントやこのブログのお問い合わせから連絡してくださいね。