しんどいなぁ〜と思ったら、自分の基準を確認してみる。

日曜日の夜、ラジオフランスの合唱団のコンサートに行ってきました。

会場に着くと寒気がしてきて熱っぽかったので、夜は夕飯を食べてすぐにぐっすりと眠りました。

ただ、朝が来て『たくさん眠ったのだから大丈夫』と思い語学学校へ行く準備をすすめていたものの、体調が優れず、結局今日はおやすみしてしまいました。

パリに住み始めて9ヶ月目を迎えるけど、そのうち1ヶ月は確実に外に出ていません。

出たくても出られなかった..つまり、体調を崩していたから出られなかったわけです。

パリに住みたいっていう人もたくさんいると思うけど、自分がそう思う気持ちとは裏腹に体がその街での生活に対応できるのか?というのはまた別の話なんですよね。(パリから帰る頃にはもっと順応できているといいんだけど。)

今日は『日曜日しっかり休んだのだから、その分を取り返すつもりで頑張ろう!』と思ったものの、取り返すどころか殆ど何も出来なかった。

はぁ〜〜なさけない。。

前日休んだからこそ、そんな風にしか思えなかった。

夕方になって、体調が少し良くなってきたので夕飯の食材を少し買いに外へ出て、いつもよく行くスーパーで必要なものを買った。

ふと、お花を買いたかったことを思い出した。

体調もそんなに優れないし、いつも買っている安いお花屋さんまで行くのは少し遠い。

わたしは、気になっていたけど1度も入ったことのなかったお花屋さんを訪れた。

少し入りづらい独特の雰囲気から想像していた通り、素敵なお店だった。こだわって選ばれたお花が並んでいる。

しばらく見せてもらって、お店のマダムに「バラを2本ください」とお願いした。

余談だけど、パリに留学した友人がブログに女性の店員さんのことをマダム、男性の店員さんのことをムッシューと書くことが日本にいるときは不思議で仕方なかった。

パン屋さんのマダムが…という言葉を見ると、「パン屋さんのお姉さんが..」って書いたらいいんじゃないの?何なら格好つけて書いてるのだろうか..?とフランス語を習ったことのなかったわたしはそんなことまで思っていた。今考えると酷い話なんだけど。

日本で店員さんのことを「お兄さん」「お姉さん」と呼ぶように、フランス語では店員さんに「ムッシュー」「マダム」と呼ぶ。ただそれだけのことでした。

ちなみに、パリはカード社会

お花を包んでもらっている間に「カードで払えますか?」と聞くと、『10€からしか無理なの』と言われた。

殆どのお店がカードで払えるけれど、八百屋さんや花屋さんなど個人で経営されているお店は○€からカードが使えます、という風になっている場合もある。

そのとき、わたしのお財布には現金は5€もなかった。

カード社会で生活しているとこういうことがよくある。(と思う)

わたしはバラを1本追加した。

バラ3本で12€。10本8〜10€のお花をいつも買っているわたしにとっては、とても贅沢に感じた。

ただ、去年からずっと気になっていた場所に行けたこと、その場所が素敵だったこと、マダムとの会話がちゃんとフランス語で出来たことなど、行ってみて良かったな〜と思える要素がたくさんあったから、良しとしよう!と思いながら帰宅した。

帰り道、ふと今日『なさけない』と感じた朝のわたしは、自己評価がものすごく高かったのだと気づいた。

お花屋さんに行くのをずっとためらっていたわたしからすると、今日のわたしはすごい。

お花屋さんが話す言葉が何を言ってるのか分からなかったときのことを考えると、今日フランス語で言葉を理解出来ているわたしはすごい。

でも、この『基準』を置く場所を間違えると、一気に不幸になっちゃうってことを忘れてた。

例えば「ここではない場所だけどお花屋さんにはいつも行ってるんだから、行くのに緊張することはない」とか「フランス語は常に完璧に話せるようになってなきゃだめだ」とかそういうところを基準にしてると、今日なんてだめだめです。

これは、それぞれのことが出来ると思ってるからそこを基準にするわけです。

ただ、基準を高く持つ=自己評価が高すぎると、それを逸するとどんどん自分を責めてしまう可能性があるんです。

あ〜、朝はわたし自身に対してもの凄く評価が高かったんだなぁって、夜になってやっと気が付いたわけです。

『日曜日ゆっくり休んだんだから、元気に動けるわたしだ!!!』って思ってたし、そこを基準にしてたから、落ち込んじゃったんだなって。

でも、実際そんな風に動き回れる状況じゃなかっただけ。

〜が出来るはず、って思うのは良いけど、自己評価を高くしすぎて、評価した自分よりも低い行動をする自分を見つけたときにすごく落胆するのって、すんごく勿体ないことなんですよね。

「昔は出来てたのに」「この前できたから」「もう完璧じゃないとダメ」って考えるより、それが出来るコンディション、シチュエーションだったのか?ちょっと見つめることの方が必要なはず。

今日買ったお花は、よく見るとお花を包む薄紙にかわいいお花のプリントがしてあった。

いつも買うお店では麻紐で束ねてある花も、リボンになっている。

パリには、日本のように安くて良いものはなかなかない。

でも、ちゃんとお金を出せば良いものが手に入る。

この前、プライベートレッスンを受けてる先生が言っていた言葉を思い出した。

明日には完全回復!とはならないかもしれないけど、今日こうして色んなことに気づけたこと、素敵なバラに出会えたこと、素敵なマダムがいるお花屋さんを知れたことを素直に喜ぼうと思う。

今週のパリはあたたかいけれど、雨がたくさん降るようです。

お花、カフェ、コンサートなど色んなものにパワーをもらって乗り切っていこうと思います。

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この記事を書いた人

株式会社Locatell代表取締役社長 / 一般社団法人福知山芸術文化振興会 代表理事 / プロのクラリネット奏者としての活動を2023年9月で休止し、起業家として芸術文化・まちづくり・海外を軸に複数の事業を展開中

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