お家から歩いてすぐの距離にあるイヴ・サンローラン美術館へ行って来ました。
少し人が並んでいたけど、平日ということもあってか、着いて数分で中へはいることが出来ました。
裕福な家庭に生まれ、幼い頃から母に着て欲しいと思う洋服のデザインを描き、それを仕立ててもらっていたというイヴ・サンローラン。
18歳の時にクリスチャン・ディオールのアシスタントとしてキャリアをスタートさせ、彼が21歳のときにディオールの死と共にブランドのデザイン責任者を任され、ディオールのデザイナーとして数々の成功をおさめます。
彼のデッサン、スケッチ、お洋服、豪華なアクセサリーなど、イヴ・サンローランのことを知らない人でも楽しめる内容になっています。
イヴ・サンローランの服って全然間近で見たことなかったんですが、近くでみるとすごい存在感でした。
黒の存在感や、デザイン性の高さが伝わってきます。
わたしはコンサートでドレスを着ることもあるので、ドレスのコーナーはそのディテールの美しさに目を奪われました。これおいくらくらいするんでしょうね。。
特に、彼のアトリエは興味深いものでした。
本当にたくさんの資料や作品がたくさんあって、何かを追求している人はやっぱり「数」をこなしていたり、「数」に触れているのだと改めて感じました。
本棚には日本の本もありましたよ。
わたしは彼の出で立ちを今まで見たことがなかったのですが、なんというか、すごく独特の雰囲気を持っている人だなぁと思い、アトリエで彼が写ったポストカードを購入しました。
また、彼が同性愛者であり、そのことで悩んでいたということも、今回初めて知りました。
24歳の時に徴兵されるものの、精神の弱かった彼は1か月と経たないうちに軍の精神病院に送られ除隊されます。
ここでまたディオールに復帰できるかというとそうはいかず、精神病を理由にディオールを解雇されてしまうのです。
そこから彼は自身のブランドを立ち上げるんですが、そのときに彼を支えてくれたのが仕事はもちろん生涯パートナーとなったピエール・ベルジェなんですね。
ピエール・ベルジェは大きな才能を発掘するセンスがあり、フランスで影響力の高い人物だったようです。(彼は2017年に亡くなっています。VOGUEのこちらの追悼記事が読みやすいです)
ピエール・ベルジェのことは美術館内のショートフィルムのコーナーでも紹介されてたんですが、そのときに坂本龍一氏のピアノが流れていて、自然と鳥肌がたちました。
彼のそんな生き様は映画にもなっています。
ここまで有名で、また美しいものを生み出す人の苦悩はわたしには計り知れませんが、そういう悩みを持っていたということを知って、彼もまた1人の人間なんだなぁとなんだかしみじみ感じていました。
帰りにはポストカードと一緒に彼がVOGUEという雑誌で手がけた服を紹介してある本と、映画やオペラなどの舞台で使われた衣装が紹介してある本を買いました。
それを眺めているだけでもすごく刺激をもらえるし、英語とフランス語の勉強にもなるので毎日少しずつ読んでいます。
足を運んでほんとうに良かったと思える美術館でした。
イヴ・サンローラン美術館
5 Avenue Marceau, 75116 Paris
イヴ・サンローランの映画はamazonプライム会員なら無料で観ることができるので、ぜひご覧ください。