ヴィルヘルム・ハンマースホイの展覧会を見にジャックマール=アンドレ美術館へ行ってきました。
19世紀を代表するデンマーク生まれの画家で、白・黒・灰色を基調とした作品が中心..ということで、今までわたしが行ったことのない感じの展覧会でした。
暗い色づかいの中にもあたたかさを感じる彼の作品たちを見ていると自然と心が落ち着いていくのを感じました。 ⠀
彼が描いた作品は室内画がメインで、人物画はごく限られた人しか描かなかったようです。
特に好きだったのは彼の奥さんであるイーダを描いた作品、女性のヌードを描いた作品、そして秋や冬のヨーロッパ独特の質感を感じる風景画でした。
ハンマースホイは印象派と同時期に生きた作家ですが、彼の作品を見ていると一貫して鮮やかな色彩はありません。
わたしはそこに彼の信念や生き様を感じます。 ⠀
生涯に多くの作品を遺した人もいれば、本当に数が少ない作品しかのこしていない芸術家もいますが、いろんな画家の作品を見ていると、これをわたしたち音楽家に置き換えるとどうなるんだろう?と思うことがあります。
わたしの中にもまだまだそれはすごく大きいものではないけれど、譲れないものはあって、それに誇りをもって創り続けていきたいなと改めて感じました。
生前はデンマークを代表する画家として特に国内で名声を得ていたものの、死後急速に忘れ去られていったハンマースホイ。
彼の展覧会は2020年に12年ぶりに日本でも開催されているようですし、これからますます人気が高まっていくのではないでしょうか。 ⠀
ハンマースホイの作品は何かと忙しい現代人たちにそっと寄り添い、静かな時間を与えてくれる気がします。