佐渡島庸平さんの本で学ぶ新時代に必要な「コミュニティ」

音楽活動を続けていくうえで、最近『コミュニティの重要性』についていろいろ感じることがありました。

音楽家なんだから、いい音楽を届けることだけに集中すべき!音楽を高めるために時間を使うべき!という言葉を何度も目にしたことがあります。

ほんとうに、それは、そのとおりだと思います。

でも、わたしの愛するふるさとにたくさんの人が来てくれて、せっかく来てくれたんだからちゃんとおもてなしをしたいって思って、オフ会をするようになって、そしたらみんなとの距離もグッと縮まって、わたしやわたしの音楽や福知山のことを好きでいてくれる人たちとの仲を深めるためのコミュニティーがあったらもっと楽しいんだろうな、と自然と思うようになりました。

そんな、今まで何となく感じていたけどうまく言語化できていなかったことを、佐渡島庸平さんの本『WE ARE LONELY, BUT NOT ALONE. 〜現代の孤独と持続可能な経済圏としてのコミュニティ〜』はしっかりと書いてくれていました。

音楽家の人だけじゃなくて、いろんなクリエイターさん、誰かを応援したい人にもおすすめの本です。

この記事では、本を読んで特に強く共感した3つのことと、わたしが実際に行動を起こそうと決めたアルバム制作に向けてのコミュニティーの話をします。

1.モノを売ることから体験を売る時代へ

コンサートやライブって「体験」だと思うんですが、音楽を聴けることだけでも十分感動するけど、例えばそのときに出演者と話せたり、ファンの人と良いコミュニケーションがとれたりするともっと嬉しい気持ちになるんですよね。

本の中で見つけて何度も頷いたのがこの言葉。

「これからはモノではなく体験を売ることになる」と言う言葉を見かける。それは必ずしも、イベントのチケットを売らないといけないものではない。

わたしは、ふるさとである京都府福知山市でのコンサートにいろんな地域からお客さんが来てくれるようになって「みんな音楽だけを聴きにくるんじゃないんだな」って肌で感じるようになりました。

お客さんと話して『何を良いと思って来てくれるのか』を聞いてみると

「さわちゃんが大好きな福知山で、演奏を聴けることが嬉しい」
「いつもSNSでさわちゃんが紹介してる場所に行くのが楽しみで」

と、福知山が片道7時間かかるとか、福知山に来るのにチケットの何倍の値段がかかることとか、そういうお金や時間を超えた『体験』を得るために足を運んでくれているということが分かりました。

純粋に音楽を楽しむ、っていうけど、やっぱり出演者の表情とか、声とか、言葉とか、衣装とか、その空間の雰囲気(会場の雰囲気+お客さんの雰囲気)とかいろんな要素が絡み合って『楽しい、また来たい』って思うわけで、それってもう「体験」ですよね。

また来たいなって思ってもらえるようにわたしがしているのはこんなことです。

・来てくださった方々に全力で音楽を届ける(聴覚/メインの体験)
・お客さんとなるべくお話するように心がける(コミュニケーション)
・わたしの音楽に合った会場を選ぶ(雰囲気)
・衣装に気を配る(視覚)
・終演後に出演者の写真を撮れるようにしたり、集合写真を撮ったりする(思い出をつくる)

コンサートやライブになかなかお客さんが集まらない!という人は、お客さんにいつもどんな「体験」をしてもらってるのか、一度振り返ってみるといいかもしれません。

2.SNSでファンとつながる

SNSで好きなことを発信していたら、いつの間にか私の好きな福知山が気になる人が出て来て、その人たちが実際に福知山に足を運んでくれて。。

そんな経緯もあって、わたしのコンサートに来てくれる人にはSNSがきっかけでファンになってくれる人も多いです。

ただ、いろんな時代があって『ただフォロワーを増やそう』としていた時期もありました。

そのときは1ヶ月に100人くらいTwitterのフォロワーさんが増えることも普通だったんですが、それが数ヶ月続いた時にハタと気づいたんです。

『最近わたしをフォローしてくれた人たち、わたしの音楽活動に興味を持ってフォローしてくれた人じゃないな..』って。

そのときのわたしはSNSでの発信方法を中心につぶやいていたんです。

佐渡島さんの本にもこんな言葉があります。

ネタアカウントについたファンは、クリエイターがやりたいことを応援してくれる人にはならない。

これはもう本当にその通り。だから、誰かの為になる情報だけを発信し続けるbotみたいな呟きはやめました。

佐渡島さんは、自分が得意で考えていて楽しいこと、自分が深掘りしたい次の5つのことことを決めてツィートされているようです。

1.作品づくりで気づいたこと
2.経営する上で気づいたこと
3.ベンチャーとして気づいたこと
4.エンタメ、経営についての面白いニュースの紹介
5.子育てで気づいたこと

なので、旅行をしたり美味しい食事をしても、その内容をアップされることはない=すごく投稿内容を絞っておられるそうです。

投稿内容を絞り、範囲を狭くすることで、SNSアカウントに個性が生まれてくる。そして、その個性を支援してくれる人だけが集まってくる。発信をブレさせないことのほうが、クリエイターにとっては重要だ。

SNSはファンになってくれる人=好きになってくれる人と繋がることができるとっても便利なツール。

出会いたい人に出会うために、出来ることからやるのが大切ですね。

3.ネット上のコミュニケーションはストック型

ファンクラブの運営や、ツイキャスをしていて思っていたことを佐渡島さんは分かりやすく言語化してくれていました。

ネット上のコミュニケーションは熱を生みにくいが、ストック型で何度も触れる可能性がある。オンラインのイベントで会うほうが、いきなりオフラインのイベントで会うよりも親密になれる。

これ、本当にそのとおりなんですよね。何度も回数を重ねることで、少しずつ距離が縮まってくるんです。

最近このブログの更新頻度をグッとあげたんですが、ちゃんと変化があって訪問してくれている人が増えています。こうやって、試行錯誤しながら継続することでどんどん現状は変わってくるんですよね。

また、ライブでも初めて会うお客さん同士を『ツイッターの○○っていうアカウントをやってる人やで』と紹介して繋げたりすることも。

そこで少しでもコメントをしあってる人だったりすると急速に仲が深まることもあり、すぐにコミュニケーションが生まれます。

ちなみに、わたしはオンライン上で嫌な気持ちになるコメントがあると、はっきり嫌だと言います。もちろんリアルでもそれは同じ。

黙って上辺だけでコミュニケーションをとっていても何も生まれません。

ライブもオフ会も大切な場所、大切な人たちが集まるからこそ自然とそうなっちゃうんですよね。

4.この本を読んでイメージした次回のCD制作のこと

この本を読んでいて、いろんなアイデアが頭の中にたくさん浮かんできました。

特に完全帰国する2年後につくる3rdアルバムの制作については、これまでのやり方とは全然変えてみたいなと。

『CDを作ります!』って発表すると、これまでは「楽しみに待ってます!」って言われるだけだったけど、そんな時代もう終わりじゃないかなぁって。

待ってるのも楽しいけど、一緒にやるともっと楽しんですよ。

だから、CD制作チームを作っちゃえばいいなと。

ただ、無料で参加できるチームだといろんな人がきちゃうので、例えば3000円とかの有料にしてCDが完成するときにはチーム参加特典+CDが送られて来るっていう仕組みにすれば、CDを買う予定の人は気軽に参加できるわけです。

CD制作って録音がピークになりがちで、今は大手からCDを出す人も自主制作でCDを出す人も、共通してCDをどうやって売るか?ということに関しては苦手な人が多いです。

前回の2ndアルバムは1ヶ月で200枚を売ることができました。

CDアルバム200枚を1ヶ月で販売するために実践した5つのこと

わたしはCDを売れると嬉しいし、その感情を得られる販売が好きです。

過去にアパレルやマクドナルドでのアルバイトをとおして、売りたいものの良さを説明して誰かに売ることの喜びを体験しているからかもしれません。

『自分がいいと思ったものが売れる喜び』や『応援する演奏家のCDに自分の意見が盛り込まれるワクワク感』ってむちゃくちゃハッピーな気持ちになれるんです。だからこそ、たくさんの人で共有したい。

だから、3rdアルバムは絶対にチームで作りたい。まだ制作開始まで時間はあるんですが、今からむちゃくちゃ楽しみです!

さいごに

数多くの本を読んでこられた佐渡島さんですが、コミュニティの大切さについて書かれている本は少ないと本書の中でおっしゃっていました。

わたしもリーダーシップや仲間とのコミュニケーション方法などに関する本は読んだことがありましたが、コミュニティに関する本は読んだことがありませんでした。

でも、この本を読んでわたしの中のいろんな考え方がアップデートされました。

この本は、演奏家の人だけでなく、あらゆるクリエイターの方にもおすすめです。

ぜひこれからの時代のキーワードになる『コミュニティ』について、考えを深めてみてください。きっと大切なヒントが載っていますよ。

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吉田佐和子
パリ在住の福知山を愛しすぎているクラリネット奏者。京都府福知山市の魅力発信WEBマガジン『ふくてぃーやま』編集長。アルバム収録曲はiTunes,Spotify,YouTubeチャンネルで聴いてくださいね。
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