パリで出会った先生方が教えてくださったこと

1年前の12月15日。私はパトリック・メッシーナ氏の出演するコンサートを聴きに行って、終わったあとにレッスンをお願いしました。

あれからまだ1年しか経ってないんだ、と思うほど彼から受けた影響は大きく、この1年間は色んなことがあったなと思います。

音楽的にも人間的にも尊敬出来る人に出会えるってこんなにも幸せなことなんだと何度思ったか分かりません。

いつもレッスンの最初にロングトーン、半音階、簡単な音階をするんですが、いつもそこで彼がどれだけ色んなことを考えて音を奏でているのか実感します。

コンサートで音を聴いたときも沢山の学びがあるのですが、やっぱりレッスンだとより近い距離で音を聴けるし、音を聴けばその人が普段どんなことを考えて音楽に取り組んでいるのか、全ての思考が音に出るのだと感じます。

今日は彼の音があまりにも美しくて思わず泣きそうになってしまったくらい。

(同時に走馬灯のように個人練習をしている時の自分が頭を過る..)

彼のアドバイスは常に分かりやすく私の可能性を感じさせてくれます。

もちろんアドバイスされたことがすぐに吹けずもどかしい思いをすることもあるけれど、多くの発見や学びにあふれた時間は本当に幸せで、今日は「レッスンでこんな幸せな気持ちになれるんだ」って素直に思いました。

パリに来てから出会った先生方は、感情的に怒ることはされません。

その姿勢から感じるのは、いつも真摯に音楽に向き合うこと。

音楽と向き合う姿勢、そして、常に美しい音色、自然なフレージング、正確なリズム感で音楽を奏でる大切さ。基本的な事をどこまで、どんな風に突き詰めるかで、出てくる音はものすごく変わってくるのだと思います。

昨日レッスンの帰りに見たエッフェル塔の先端が隠れてたけど、音楽と歩む人生はこんな風に周りや先が見えなくなって、自分の人生を不安に思うこともあります。

でも、何かを気にして不安を感じたり、不満を言ったりする時間があるなら、奏でる音楽をより良い方向を導くために出来ることが沢山あるし、目を背けたい場所にこそ自分の音楽を変える大きなヒントがある。

自分の良いところも悪いところも大切に出来る愛を持った人こそ、大切に音楽を奏で、共演する演奏家、お客様、普段関わる様々な人を魅了するんだと思うし、パトリックのように愛に溢れた音楽が奏でられるよう、いつも目の前にある音楽や自分自身にしっかり向き合いたいなって思います。

パリではパトリック・メッシーナとピエール・デュトリューの2人の先生にレッスンをみていただいています。

「学ぶ」という言葉の語源は「真似る」というのはよく言ったもので、彼らから音楽を習うということは、その生き様を真似ることでもあると感じています。

例えばいつも明るく在ることや、人の良いところを見つけて褒めること、ポジティブな思考で深い愛情を持って音楽に取り組むことなど、良い音楽を奏でるために普段の思考を変えていく必要性も強く感じました。

今思うと彼らに出会うまでの私は卑屈になることも多く、周りに対する不満を漏らすことも多く、自分自身と深く対話出来ていませんでした。

「答えは周りの誰かが持っているのではなく、いつも自分が持っている」ということに本当の意味で気付いてなかったのだと思います。

最近留学に関する相談をいただくこともあるんですが、海外に行くこと=こんな風に深くインスピレーションを得られることではなくて、きっと日本にいても、こういうことを感じられる人は沢山いると思います。

ただ、普段からどんな姿勢で音楽と向き合っているかによって、得られるものは変わってくるし、レッスンや日々の生活で良い刺激を得たいと思うなら、やっぱりそのために必要な思考や練習(準備)があると思います。

パトリックに出会って1年が経ち、ピエールに出会ってから半年が経ちました。

今年は、本当に多くのことを教えていただいた年となりました。

また来年も色んなことが変わっていく年になりそうですが、彼らのように、真摯に謙虚に自分自身と周りに対する愛を持って音楽と向き合い続けていきたいです。

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