今日で10月から通ったコンセルヴァトワール(音楽院)の授業が終わりました。
レッスンを受ける前は相変わらずドキドキするので、今日もいつも通りドキドキしながら学校へ向かったのですが、「これで最後」と思うと、見慣れた景色がいつもよりなんだかキラキラして見えました。
受験前に初めて伴奏者の先生とのリハーサルのために学校へ行ったときのこと、約10年ぶりの受験にとても緊張したこと。。
学校に入ったことで、語学学校に通っていたときよりもフランス語で話す機会が増えたし、音楽に関するボキャブラリーもたくさん増えました。
また、さまざまな経験をすることが出来ました。
また、わたしが音楽院で師事したピエール・デュトリュー(Pierre Dutrieu)はとてもポジティブな思考の持ち主で、彼の前向きな言葉に何度も励まされました。
実際に一時帰国中のわたしのレッスンもすごく変わりました。
現代曲に対する考え方が大きく変化
ピエールは現代奏法のスペシャリストで、彼が執筆した『technique contemporaine de la clarinette』(クラリネットの現代テクニック)は一生使える素晴らしい本です。
わたしは日本にいる頃、ほとんど現代曲を演奏しなかったし、それは一部の人がやるものだと思っていました。
でも、6月に行われた終了試験でまだクラリネットを始めたばかりの10代前半くらいの子たちがみんな何かしらの現代曲を演奏していたのを見て、改めて現代曲の位置付けがこんなに日本と違うのかと驚きました。
例えば、10代前半の子が演奏していたのはこの3曲。
現代曲は、Alain Louvrierの『Hydre à 5 têtes』という曲で、この動画ではサックスで演奏されています。
聴いてもらうと分かるのだけど、サックスはそこまで難しくなく、ピアノの方が大変そうですが、こういう曲を楽器を始めた頃からやるというのは個人的に結構衝撃でした。
他にもこういうクラリネットとピアノのために書かれた曲も演奏していました。
来年4月に帰国してクラリネットを誰かに教える時には、現代曲も自然に取り入れながらやっていきたいと感じました。
わたしが音大生の頃はわたしも含めて現代曲を全然やらない人もいたけれど、今は現代曲はやって当たり前なはず。
それに現代曲を「とっつきにくい音楽」にしているのは、他でもないわたしのような音楽を伝えていく人たちなのではなのかもしれません。
さいごに
先生にゆっくりお礼を伝えたかったのだけど、次の生徒さんが来てしまってちゃんと伝えられなかったので、メールを送りました。
お返事にはとても嬉しいことが書いてあって、自分の現状に満足することはないけれど、自分ではない誰かが見守ってくださっていることに対する喜びを感じたし、こうして先生と信頼関係が築けたことはとても嬉しく思いました。
ピエールには引き続きレッスンに通う予定で、特に現代曲のレパートリーをたくさん増やせたらと考えています。
この前コンセルヴァトワールに通って感じたメリットとデメリットについて記事を書いたけど、トータルで見るとメリットの方がとっても多かったです。
ちなみに、秋からは学校には行かないので本当に予定はフリー。
来年4月には日本に完全帰国するので、帰ったときにやりたいことが出来るように少しずつ準備していきたいと思います。