パリ郊外インプロアカデミー

オーボエ奏者のためのジャズインプロ講習会『OBOMANIAアカデミー』終了

1週間、オーボエとイングリッシュホルンのためのインプロビザーションアカデミーに参加してきました。

HP:http://www.jeanlucfillon.com/language/en/obomania_eng/

通常ならクラリネット奏者であるわたしは参加出来ないのですが、主宰者であるJean Luc Fillon氏にお声がけいただき、バスパート要員として参加しました。

このアカデミーはヨーロッパでも珍しいものだそうで、そもそもオーボエを始める人は最初はクラシックから始める人が多い楽器です。

日本でもオーボエでジャズを専門でやっている人は片手で数えられるくらいしかいないのではないでしょうか。

ちなみにはJean Luc Fillon氏はこんな演奏をされます。You Tubeにはたくさん彼の演奏がアップされているのでぜひチェックしてみてください。

このオーケストラ+ソロ楽器という編成はやっぱり好きだなぁ。いつかソリストとしてオーケストラをバックに演奏するのが夢です。

参加者は16人!どんな人が参加しているの?

このアカデミーには16人の参加者がジャズのインプロビゼーションを学ぶために参加していました。

国籍は、台湾、フランス、スペイン、コロンビア、ドイツ、そして年齢も20代〜50代までさまざまな年代の参加者が集まっていました。

音楽院で学んでいる人もいれば、現役/元オーケストラプレイヤーもいたし、普段は仕事をしながら趣味でオーボエを吹いている人もいました。

参加者は3つのグループ分かれてました

参加者は3つのグループに分かれました。

  • DUCK(6人)
  • BIRD(3人)
  • TRANE(7人)

インプロビゼーション(以下インプロ)に挑戦するのが初めての人向けの2つのグループ、既にインプロをしたことがある人向けの1つのグループに分けられていました。

わたしは既にインプロをしたことがあることが先生に知られているからか、TRANEという上のグループに分けられていました。

3つのグループに分けられていたとはいえ、実際DUCKとBIRDの2グループとTRANEのグループの間には結構差があったように感じました。

授業は全部で6つ

授業は全部で6つありました。

  • 個人レッスン
  • ジャズ理論
  • インプロで使える実用的なメロディー講義
  • ジャズハーモニー講義
  • トレーニング
  • リード講座

わたしはジャズ理論について学ぶ授業と、ジャズのハーモニーについて学ぶ授業をメインに、他にも現代音楽を学ぶ授業やビッグバンドに参加しました。

ちなみにわたしの1週間のスケジュールはこんな感じ。

バスクラリネットということで、ジャズバンドには6曲ぶっ通しで演奏していたり、下のグループに混じって参加する授業もあり、結構詰まってました。

配布されたプリントの一部もご紹介します。

生徒が出演できるコンサートも充実

また、水曜日には上のグループの生徒が、金曜日には下のグループの生徒が出演できるコンサートがありました。

ピアノの先生のバンドによるライブ。終了後はジャムセッションに

ちなみに土曜日には全員がまずは2.3人のアンサンブルを披露し、そのあとビッグバンドのコンサートがありました。

学んだことを実際に実践する場がたくさん設けられていたこと、経験のある/なしに関わらずインプロに挑戦し、拍手を受けること..チャレンジする姿勢を大事にするアカデミーだと感じました。

また、コンサートの他にもジャムセッションも2回あったので、とても良い環境だったと思います。

ジャムセッションの様子

会場は伝統あるお城

今回のアカデミーの会場はお城でした。

とても歴史がある場所のようで、アカデミー開催中もたくさんの観光客が訪れていました。

レクレーションの中にはサルサダンス講座もあったのですが、大広間で踊るときに床のダイヤ柄がとても便利でした。

また、教会で授業を受けるときもありました。

これまでわたしにとって教会は祈りに行く場所であったり、観光目的のために訪れる場所だったんですが、今回教会で授業を受け、あの響きの中で演奏することができたのはとても良い経験になりました。

教会独特の残響の美しさやを体験することが出来てよかったです。

レクレーションや食事も充実

このアカデミーは7日間の日程だったんですが、ジャズセッション、ハイキング、サルサダンス講座、会場であるお城の見学、バトミントンなどのスポーツアクティビティーなど様々なレクレーションが充実していました。

サルサ講座の様子

また、お昼ご飯は近くのレストランに行って食べたり、ピクニックをしたり..

本当にバリエーション豊かだったと思います。

ちなみにレストランで食べるものは事前に質問がありました。

フランスのレストランは前菜ーメインーデザートでセットなのですが、前菜+メインにするかメイン+デザートを選ぶか事前に聞かれていたので、レストランへ到着するとスムーズに食事が出てきました。

ちなみに昼食は参加費に含まれていましたが、夜ご飯代は参加費には含まれておらず、夜にはレストランだけでなく、パン屋さんや食べ物が買えるエピスリーもあまり空いてなかったりしたのですが、なんとかやっていけました。(ちなみにオーボエの皆の参加費は470ユーロ/宿泊費と夜の食費は別)

ただ朝食がずっとパンだったのはさすがに1週間続くと飽きますね。

辛かったこと

アカデミーに参加した中で辛かったのは、高速で交わされるフランス語と英語についていけず、自分の語学力のなさを痛感したことでした。

また、ハイレベルな参加者たちを目にしたとき、やりたい演奏がが出来ていない自分へのもどかしさを感じていました。

もちろん、この現状は過去のわたしの行動が積み重なって起こっていることだし、何事もそうですが、何かを身に着けるにはしっかり一定期間取り組まないと結果は出ません。このアカデミーに参加した数日で劇的にインプロが出来るほど甘くないことも知っています。

なので『今すぐどうすることも出来ないことでモヤモヤしても仕方ないやん』という客観的な自分もいたのですが、やっぱり悔しい気持ちが強く焦っている時間が多かったです。

グループは違ったのですが、台湾人の女の子と多くの時間を過ごしました。

グループのレベルを変えて欲しいとお願いしたこともあった

特に一番上のグループは語学的にも演奏的にも今のわたしにとって少しシビアなものがあり、途中でグループを変えて欲しいとお願いしました。

レベルの合わない場所で勉強しても多くのものを得られないということを、わたしはフランス語学習を通して学んでいたからです。


ただ、わたしを呼んでくれたJ-Luc Fillon氏にそのことを相談すると『君にとってレベルがハードなことはわかっている』と仰った上で『でもすごく良い勉強になるでしょう?』と仰ったんです。

分かった上であえてこのグループ分けをされているなら、頑張ろうと思ったのと、下のグループの人たちの演奏を聴いていると理論と演奏が結びついていないようにも感じたので、そのグループにいると楽かもしれないけれど、上のグループで感じている刺激もないということが分かりました。

クラシックも、ジャズもやりたい

今回の参加者の中にはパリ国立高等音楽院やリヨン国立高等音楽院など入学すること自体難しい音楽院でクラシックを学びながらインプロもバリバリ出来るという強者も。

一緒にペアを組んで2回の本番を終えたアレクシーも21歳で作曲専攻でパリ国立高等音楽院に入学していて、頭が切れて演奏もgoodな天才です。

彼らはまだ21歳や23歳!なのに、もうそんな実力があるんだなぁ、ととても眩しく感じました。

J-Luc Fillon氏もあらゆるジャンルを演奏されるんですが、本当に才能豊かというか努力家というか..

わたしがやろうとして出来ていないことを既にやっている人が目の前に何人もいるというのは何とも不思議な感じでした。

環境が人の思考を作るといいますが、こういう風にクラシックとジャズの垣根なく音楽を楽しんでいる人を目の当たりにすると、わたしが今まで感じていた『クラシックかジャズのどちらかに絞って活動した方がいいのではないか?』という感情はどうでもよくなった気がしました。

ヨーロッパでもそれらのジャンルを同時にやっている人は少ないそうですが、それでもわたしはどっちもやっていきたいという気持ちを強くしました。

さいごに

私が通っていた音楽院に入ってなかったら?

そこでJ-Lucと会わなければ?偶然7月上旬が空いてなければ?

どれか一つのピースが欠けていたら、今回の体験は出来なかったのだと思うと、大げさかもしれませんが参加するのは運命だったのかなぁと思います。

クラシックも、ジャズもやるってどう考えても大変なことだけど、挑戦します。

来年の4月に帰国したら全曲ジャズスタンダードナンバーで構成したライブもやりたいと思っているので、ぜひお楽しみに..!

それと同時に、わたしも色々苦労してジャズを学んでいるのでより学びやすい方法を模索していけたらなぁと思っています。

最後にわたしが今回のアカデミーで取り組んだ曲を紹介します。

ぜひ聴いてみてくださいね。

ABOUT ME
吉田佐和子
吉田佐和子
パリ在住のクラリネット奏者。京都府福知山市出身。オリジナルアルバム収録曲はiTunes・Spotify・YouTubeでお聴きいただけます。ブログではクラリネットのことや日々の様子を綴っています。
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