先日、中学3年生で吹奏楽部に所属している生徒さんがレッスンに来られました。
レッスンを始める時に『今日はレッスンでどんなことを見てほしい?』という質問から始めたのですが、生徒さんの悩みはもっとイイ音色で吹けるようになりたい!ということと、高音を楽に出したい!というものでした。
初めての先生のレッスンって緊張しますよね。
でも、凄く沢山のことを吸収して帰ってくれたので、今日はその内容をお伝えしたいと思います。

Contents
1.タルとベルのベストな位置を調整
よく特に理由なくブランドの刻印が表に来ている生徒さんが多いのですが、タルとベルは、それぞれ一番いい音がなるポイントを調べて刻印がされているわけではありません。
なので、タルとベルをそれぞれ一番吹きやすい吹奏感で良い音が出る位置に調整しました。
吹きやすい位置の見つけ方についてもお伝えしましたし、自分にとって『良い音』がよく分からなくなった時は客観的に聴いて判断する方法もあるのでその方法についてもお伝えしました。

この時に、私が『あ、この位置だといい音がするな』と思ったタイミングと同じタイミングでその生徒さんも反応してくれていました。
これって実はなかなかないのです。(0.5秒〜1秒遅れてとかが普通かと)
そのことをしっかり褒めて、次のステップへ!
2.息を吹き込む方向についてアドバイス
楽器が1番鳴りやすい息の入れ方についてアドバイスしました。
今までと違う方向に息を入れるのは少し怖いかもしれませんが、少し声かけをすると数分前と全く違う音色が出せるようになりました。
これには一緒に来られていた吹奏楽部の顧問の先生もびっくり!
あまりにも反応が良かったので、また褒める!
3.高音を吹く時のアドバイス
高音を吹いて貰った時に『上の音にいけばいくほど音が汚くて細くなる』って思ってるように聴こえたんですよね。
なので、高音の吹き方のコツと一緒に意識も少し変えてみることを提案。
『高音は高くなれば高くなるほど豊かになる』って思って吹いて貰いました。
この時に、潜在意識と顕在意識の話もしました。
その上で、潜在意識で『私の音は汚い』って思ってると、脳は汚い音に関するマイナスのデータばかり集めようとすること。
『豊かな音を出したい』と思うと、脳は豊かな音を出すためにはどうしたらいいのか?
豊かな音ってどんな音なのか?というプラスのデータを集めるということも伝えました。
また、リードの状態によって高音を出すコツが少し変わるので、もう1枚リードを出してもらって、それぞれのリードで吹く時のポイントも伝えました。
人が抱いている感情は、言葉に出した時はもちろん、言葉に出さない時もオーラというか『氣』みたいなもので伝わります。
高音についての話を始めた時は、ネガティブな意識を持っていた生徒さんも、このお話を一通りしたあとはポジティブな意識を持っていました。
素晴らしい!
4.スイングチップ検証
楽器のネガティブな部分を解決するため、又はより自分にあった状態に変えるためにスイングチップを使用しています。
使用する部位によって効果が変わりますし、楽器の状況によっては使用しなくても良い場合もありますので、ケースバイケースですが、この日は色々と検証しながら実験。
これを貼るべき場所は、私は音を聴いたらすぐに分かりますが、貼る場所によってはあまり効果が感じられない場合もあるでしょう。
チタン・シルバー・ゴールドがあり、大きさも数種類ありますが、私はB♭管にはシルバーを、A管にはゴールドを使用しています。
サイズは下記のサイズ。
バスクラにこのサイズをつけても変わります。
何か大きな修理をする必要もなく、比較的安価なのも特徴ですね。
5.今日出来たことは明日出来なくてもへこまない
またまた脳の仕組みの話になるのですが、たとえば今日一生懸命練習したことって明後日出来るようになるわけです。
こういう脳の仕組みは知っておくと、『沢山さらった箇所が翌日に出来なくて猛烈に凹む』という意味のない状態に陥ることはなくなります。
自分の練習が効果的なものであったのか?
もう1日待ってから判断しましょう。
6.マウスピースパッチについて
私がオススメしているマウスピースパッチはヤマハのものです。

生徒さんがつけていたマウスピースパッチを選択した理由も聴きながら、ヤマハのものも試してもらいました。
少し抵抗感が大きい気がしたので、生徒さんに合うサイズに切って調整。
これもどれくらい切ればいいのか(生徒さんにベストな抵抗感)は音を聴けば分かりますので、一番いい状態に整えます。
最初つけていたものよりも、楽に息が入れられるようになったそうです。
音色は、正直最初につけていたマウスピースパッチを貼っているときも味があって良いと思ったのですが、それぞれの音色の特徴をお伝えした上で生徒さんが好きな方を選んでもらうことに。
結局ヤマハのマウスピースパッチをつけて帰られました。
7.レッスンで学んだことを自分でまとめる
これだけ沢山のことをお話したので、今回のレッスンで学んだことをメモしてもらいます。
全て書き終わったら、それを読み上げてもらって、足しておいた方が良いことがあれば付け足します。
この『自分の課題を自分の言葉で書く』というのはとても大事です。
8.フレーズの吹き方について
最後に、今年の夏のコンクールで吹かなければいけないというソロの部分を少し指導しました。
時間がなかったのですが、私が吹いているところをサクッと録画してもらって、そのあとその箇所を吹くときのポイントを伝えました。
まとめ&生徒さん募集中です
かなり沢山のことを教えたなぁ、と思ってまとめてみましたが、本当に沢山ありました。
まとめには入れませんでしたが、他にもグリスと音色の関係性について、オススメのグリスの紹介など、盛りだくさんな内容でお送りしました。
これだけのことを吸収出来たMさんは凄い!
初回に基本の部分を整えてあげると、その楽器にとって1番いい状態で演奏が出来るようになります。
私はまず最初に必要最低限のコストで効果が出ることをお伝えしています。
また、この基本の部分を理解してもらったあとはリードの削り方や楽譜のさらい方などより具体的な指導に入っていきます。
私のレッスンは1回1時間5000円で、東京の場合は新宿ドルチェ、大阪の場合は大阪ドルチェ楽器で行っています。
1回きりの単発レッスンでもこんな風に沢山のことを学んでいただけます。
ぜひ、お悩みのことがあれば一緒に解決出来ればと思いますので、お気軽にご連絡ください。