ロンドンで撮影とレコーディングに参加しました

お仕事でロンドンへ行ってきました。

内容が言えるのは制作物が公開になってからなんですが、英語とフランス語を話しながらお仕事をするのはパリに住む前から望んでいたことだったので、その夢が叶ってとても嬉しいです。

今回お仕事で出会った人たちはとても素敵な雰囲気の方ばかりで、緊張していた私の心を和らげてくれました。

あたたかい言葉をかけてくれた作曲家のGustav Karlströmと一緒に。

メンバー同士で気持ちの良いコミュニケーションを取り、声をかけあい、プロジェクトがより良い状態へ向かっていくように協力されている様子を見て、良いものを創り出すときに大切なのは厳しさだけじゃないのだと感じました。

私はまだまだすぐに物事を深刻に考えがちですが、今回の仕事で出会った彼らのように、出会った人の良いところを褒め合い、たまにジョークも言う。そんな風にお互いが笑顔でいられる雰囲気をつくっていきたいです。

初めて訪れたロンドンの街。

私はこの可愛い二階建てのバスを「ロンドン市内を観光する人のためのバス」だと勘違いしていたんですが、市内を走るバスだったようで普通に街中で見かけました。苦笑

お仕事が終わった後は2日間滞在し、BBC交響楽団、ロンドンフィルハーモニー、ロイヤルフィルハーモニー管弦楽団のコンサートを堪能しました。

まずはBBC交響楽団を聴きにBarbican Hallへ。

初めて訪れたBarbican Hallはとても大きな複合施設で、劇場、ホール、複数のレストランが入った場所でした。この日はかなり席が空いていたこともあり、2階席の一番前の席が取れました。

指揮者のRafael PayareとBBC Symphony Orchestraは今夜が初共演ということもあり、前半は少し息が合わないような印象を受けましたが、後半に演奏されたショスタコーヴィチの交響曲5番はオケと指揮者双方にとってぴったりの選曲で終演後の拍手もとてもあったかかったです。

前半よりも後半はぐっと全体のまとまりが増したことから、指揮者、オケ、楽曲にそれぞれ相性があるということをしみじみと感じました。

そして、ふと私の場合はどんな曲と相性が良いのだろうか?と思いました。もちろん私の曲は一番相性が良いんだろうけど、クラシックやジャズの場合はどうかなと。。

そして、翌日はロンドンフィルハーモニーを聴きに再びBarbican Hallへ。

前日のコンサートのお客さんの入りが6割だったのに対して、この日はほぼ客席が埋まっていて、拍手の音量も違っていました。

世界を代表する女性指揮者の1人、Marin Alsopが登場したときには拍手が一層強まり歓声も飛んでいたことから、お客様にとても愛されている方なんだなぁと思いました。

彼女の指揮を見たのは初めてだったのですが、この日の演目は様々なシーンがあり、指揮者がソリストの歌い手と絡むシーンもあったため、彼女のユーモアでチャーミングな面が垣間見れました。

人柄的にも音楽的にも彼女があまりに魅力的だったので、今これを書きながらiTuneで彼女の指揮した作品ばかりリピートしています。

きっとオケの共演者の皆さんも『この人と一緒に良いものを創り上げたい』と自然と思うんだろうな。これは今回のお仕事で得た気づきとも共通していて、これからとっても大切にしていきたい気付きです。

最後は、ロイヤルフィルハーモニー管弦楽団を聴きにRoyal Festival Hallへ。

指揮者のVladimir Jurowski氏は、『今年の2月から“CHANGING FACES:STRAVINSKY‘S JOURNEY”と題し20世紀の音楽に取り組んだ旅は簡単ではなかった』と仰っていました。

でも、その旅の最後を飾ったBerioの『Sinfonia』は本当に素晴らしかったし、「この旅を見届けてくれた皆さん、ありがとう」とVladimir Jurowski氏が仰ったときに楽団員の皆さんが客席に向けて拍手してくださったあの時の表情は、楽団員も観客もみんな一緒に旅を共にして、ここまで来た感じがして、とても印象的でした。

ちなみにBBC Symphony Orchestraとロイヤルフィルハーモニー管弦楽団プログラムは3£(約430円)で購入するシステムでした。

プログラムを購入した2つの楽団のコンサートは演目も影響していたのだと思うんですが、空席も目立ちました。プログラムの印刷代ってバカにならないわけで、公演の収入を確保するためにもプログラムが一役買ってるのかなぁと。

今回はずっと市街地にいたのですが、街並みや人の気質はパリと全然違っていて、地下鉄はキレイだし、ロンドン中心部のビルが立ち並ぶ場所の風景は日本に近いように感じました。

そして、海外のどこへ行っても日本にいる時には感じられないことを得ることが出来ますが、ロンドンに来てみて私はパリに行って良かったなぁと改めて思いました。

ロンドンの街や人の雰囲気は日本と似てるな、と感じる部分も多くて日本人も住みやすいのかなって思ったけど、私はパリの歴史ある街並みが好きだし、パリで出会った人々が好きだなぁって。

こうして様々な経験を通して知識を深め、新たな価値観を得られることがとても嬉しいです。

今回の仕事は私はこれからどんなことをやっていくのか?どんな音楽家として在りたいのか?ということを改めて意識させてくれました。

ただがむしゃらに突っ走っていた20代の頃と今はやはり違う心持ちでいたいなぁと思うし、長い音楽人生の中でミッションを持つのもとても大事だなと感じています。

沢山の気付きがあった今回のお仕事。

本当に素敵な機会に恵まれたことに心から感謝です。

パリのフランス語が飛び交う日常にホッとしたし、最寄り駅に着いたら美しい夕焼けが帰りを迎えてくれているようで、ついつい見とれてしまいました。

良いお仕事ができるよう、これからも頑張っていきます。

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この記事を書いた人

株式会社Locatell代表取締役社長 / 一般社団法人福知山芸術文化振興会 代表理事 / プロのクラリネット奏者としての活動を2023年9月で休止し、起業家として芸術文化・まちづくり・海外を軸に複数の事業を展開中

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