久しぶりにモーツァルトのクラリネットコンチェルトの楽譜を取り出してみると、以前演奏した際に書いた書き込みがたくさんありました。
曲を演奏するときに感じることはさまざまで、本当は自分の中にいろんなアイデアが浮かんできてるはずなのに、いつの間にか過去に書き込んだ書き込みに思考を支配されていませんか?
練習していて『何かおかしいなー』と感じていたのですが、原因は昔書いた書き込みと今の自分の感じる音楽が少し違うことだと気付き、アーティキュレーション以外の書き込みは全て消しました。
すると、とっても演奏しやすくなりました。
ちなみに譜面はベーレンライターのものを使っています。
この譜面にはスラーやスタッカートなどのアーティキュレーションが書いてない場所もあるので、最低限の書き込みはするのですが、それ以外の書き込みは演奏している間に自然と定着してたら、その書き込みを見なくても演奏できるようになります。
よくツイッターなどで書き込みすぎた吹奏楽部員の方の楽譜が話題になっていることがありますが、わたしも中学・高校時代は書き込みをたくさんした=たくさん練習した証だ!なんて思ってました。
でも、本当は違うんですよね。
書き込むことで満足するのではなく、その先にある書き込んだことを出来るようになることで満足してほしいです。
また、書き込むときは『肯定する言葉』で書くことも大切です。
わたしがいま書き込みをする基準はこういうときです。
- 自分の中にはなかったアイデアをもらったとき
- 曲のいろんな場所で共通する指摘をもらったとき
- 自分が思っている以上の表現を求められたとき
他にも、あとで覚えておけないことは、そのことを思い出しておけるようにちょっとした単語を書き込むこともあります。
レッスンで緊張しているときや、すごく多くの学びがあるときって、インプット過多になって覚えておけないこともありますしね。
世界の先生方の中には書き込みをあまりしないように言う人もいますが、わたしは最低限の書き込みは必要だと考えています。
書き込みを消すのが不安、という人は、書き込みがたくさんしてある楽譜を写メにとっておくと、書いていたことが後から見返せていいかもしれませんね。
書き込みに囚われて『こう吹かなきゃいけない!』と思うよりも、そのときに感じた感情を大切にして『こう吹きたい!』という思いを音にのせてみてくださいね^^