パリエッセイ vol.1 | 陶器がくれた優しい時間

パリに来てからお家で過ごす時間を以前より大切にするようになった。

お家が心地良いと、同じ時間を過ごしていてもより充実して感じるから、やっぱり毎日目にするもの、使うものは愛着があるものの方が良いとも思うようになった。

日本で音楽活動をしていたときは暇を縫うようにして働かねばと思っていたし、一人暮らしをしていた頃、ワンルームの部屋は落ち着ける場所というよりも練習に集中出来る場所にしたかった。

ある友人は、必要最低限のものだけが置かれたわたしの部屋を見て『仕事場みたい』と言っていて、苦笑いしつつも音楽をするためにわたしはここに居るんだから、と答えていた。

でも、年をとるにつれ身体を壊すことも増えてそんな考え方も少しずつ変わってきた。

他のどの場所よりも、家をリラックス出来る場所にしたいと思うようになった。

お灸、アロマオイル、鍼、セルフマッサージ、和食、和食器、落ち着く質感のインテリア。

試してみて良いと思ったものや、見ていて落ち着いたものを暮らしに取り入れた。

お花は、わたしを癒してくれる心強い存在で、どんなに殺伐とした気持ちの時でも、お花を見ると心が緩む。

パリに住み始めた当初はバラやチューリップの花束を買っていた。

しばらくして色んな花を組み合わせたいという気持ちがだんだん出てきて、最近は予算と必ず入れてほしいお花を伝え、ブーケを作ってもらうようになった。

お花を飾るときに必ず必要になるのが花瓶だ。

パリでも日本と同じようにいろんな場所で花瓶を買うことができるのだけど、なかなかお気に入りのものに出会えることがない。

本当に良いと思ったものしか買いたくないから、新しい花瓶をお家に迎えたいと思いながらもかなり時間が経っていた。

そんなとき、このツイートを目にした。

陶芸家のユキガオさんが作られた花瓶だった。

写真を見て、自然とわたしのお家にも飾ってある様子がイメージ出来て、瞬間的に『これだ』と思った。

すぐにユキガオさんに連絡を取り『まったく同じものを作ってほしい』とお願いした。

そのあと無事にパリのわたしのお家までやってきてくれた白くて小さな花瓶に、つい先日やっとお花を飾ることができた。

かわいらしい見た目だけれど、手に持つとしっかりした重さがある。

この形は軽くすると倒れやすいそうで、それを防ぐためだそう。

作り手さんと会話出来ると、どんな思いでその形にされたのか?素材を選ばれたのか?などなど、作品に込められたストーリーを知ることができる。

ストーリーを知ると、同じ器でもまた違って見えてくるから不思議だし、そういう気持ちの変化を感じられるとき、わたしはとてもしあわせに感じる。

仲良しのフルーリストさんに、この花瓶に合うようなお花を教えてほしいとお願いしたら、想像を超えるかわいさのミニブーケを作ってくださった。

さっそく食卓に並べてみると、食事が進み、お皿が空いても、お花があるだけでいつもと雰囲気が違う気がした。

今日は同じ場所でフランス語のレッスンをしていたのだけど、レッスンが終わりフランス語が散りばめられたノートが散乱していても、そこにお花があるとついつい顔が緩んだ。


わたしのお花好きはもしかしたら母に遺伝したのかもしれない。

お花が飾ってあると優しい時間が流れていく。

わたしにとって、お花を買うということはマッサージに行ったり、おいしいご飯を食べたりすることと同じくらいリラックス効果があり、そのお花を生ける器はなくてはならないもの。

ユキガオさんの花瓶がわたしの毎日をより鮮やかにしてくれたように、みなさんの身近にある器・・お茶碗、お皿、マグカップ、花瓶、ペット用のごはん皿など、あなたが毎日触れるものを想いのこもった手作りのものに変えるだけで、少し違った毎日が訪れるかもしれません。

あなたの毎日を彩る器について興味を持った方、お問い合わせをされたい方はユキガオさんのHPからどうぞ。

>>ユキガオさんHP|陶芸と陶器カテゴリー

ユキガオさんに陶器制作をオーダーされた方のまとめ記事はこちら。
https://www.yukigao.com/entry/review-of-work

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これまでに作られた作品を手に取られた方のツイート

ツイッターにユキガオさんの作られた器で笑顔になった人たちの投稿がたくさんあったので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

インスタグラムでもこれまで作られた作品の一部を紹介されているようです。

 

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この記事を書いた人

株式会社Locatell代表取締役社長 / 一般社団法人福知山芸術文化振興会 代表理事 / プロのクラリネット奏者としての活動を2023年9月で休止し、起業家として芸術文化・まちづくり・海外を軸に複数の事業を展開中

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