自分の2つの側面を受け入れるということ

パリで日本にいるときよりも時間ができて気づいたのは、自分の感情の波でした。

やりたいことがたくさん浮かんで、それをどんな風にすれば達成できるのか考えたらワクワクして、実際にやり始めるとむちゃくちゃ楽しい!というときもあれば、もうこの世からいなくなっちゃいたい、って思う時もあって。

でも、この感情は音大に通い始めて2年生のときに初めて感じたのを覚えてます。

1年生のときは平日のほとんどを授業で埋めて、いくつかの授業以外の単位はちゃんと取れた。もちろん上手くいかないこともたくさんあったけど、とにかく全力で大学生活に挑んでました。

それなのに、2年生になって1年生のときよりも授業が少なくなったにも関わらず、授業にいけない日が多くなってしまいました。たくさん寝てるのに、授業に出席してもすごく眠たくて、気づいたら授業の終わりの時間だったこともたくさんありました。

今は、異様に眠気を感じる=ストレスを感じることから体を守ってるということもあるらしいということを知ったんですが、当時は自分を責めまくってました。

頑張りたいと思ってるのに、何でわたしは頑張れないんだろう・・?
去年はむちゃくちゃ頑張れてたのに、今年は何もやりたくない時間がすごく多い・・なんで?

弱い自分をどうにかするために自己啓発本を読みあさったりもしました。

そんなある日『もしかして、これって鬱なのかな』と思って大学の食堂のパソコンで検索してたんですよね。そしたら、後ろから友達に声をかけられて、咄嗟に検索していたウインドウを閉じたのを覚えてます。

そういうことを調べてるのは恥ずかしいとか、やばいって思ってから。

あの頃も、最近までも、ずっと鬱っていうのは弱い人間がなるものだと思っていて、わたしは強い人間でいたかったから、鬱について考えなければ鬱じゃないって思い込んでました。

こんな風に大学2年生くらいのときからあった感情を見ないようにしながら生きていたら、心に限界がきてしまったんですよね。

今だから言えるけど、東京を離れることを決めた理由はもう心が限界だなって思ったから。東京のスピード感が大好きで、東京で見つけることが出来た新しい音楽の可能性はキラキラしてて、すごく魅力的だったけど、その反面消耗していた部分もたくさんあって、それに耐えられなかったのです。

でも、今はやっぱりもう一度東京に行きたいなって思ってるし、来月には東京で新しいプロジェクトも始める予定なので、人生分からないもんですね。

話が外れちゃったけど、なんか去年の終わりくらいに、ふと『パリの生活にも慣れてきて気持ちが晴れる日も多くなったにも関わらず、いまだにかなり激しく気分が落ち込むことがあるというのは何かやっぱりおかしいな?』って思うようになって、気持ちが落ち込んだときにそのまま落ち込んだり、おどおどしちゃうんじゃなくて、ちゃんと対処法を知りたいなって思うようになったんです。

で、なんか色々本を読んでみたりもしたんだけど、そういうので得られるのってやっぱり一般的な知識だけでわたし個人にあったものではないから、ちゃんとわたしの状態をみてもらいたいなって思って。

前にこんなツイートをしたんだけど、最近診療心理士さんとお話する時間を持つようにしています。

音楽やってる人なら分かると思うんですが、やっぱり楽器について書かれた本や動画を見て知識をつけることは出来るけど、個人レッスンを受けた方が自分の状態がより分かるようになりますよね。これってメンタル面でも同じだと思うんです。

音楽をやってる人って感受性豊かな人が多いと思うし、音楽は好きなのに、自分の実力や周りの環境とか、人間関係とか、いろいろすごく生きづらく感じてる人もいると思うんだけど、そういうときに誰かの手を借りるのは全然ありだと思います。

辛い時期を乗り越える相手は、もしかしたら音楽かもしれないし、友達や先輩や先生かもしれないけど、カウンセリングの先生でも良いと思うから。

個人的には、利害関係が全くない人に話を出来るってすごく良いことだなって思います。

わたしは毎日何かを継続できる人間でいたいって思ってたけど、気持ちがすごく沈んじゃうこととかがあって難しいってことを受け入れようと思う。

何でわたしは出来ないんだろうって責めても追い込んじゃうだけだし。

ただ全くそんな風に思わない日もあって、シャカリキに頑張ってるわたしもいるのだけど、今のところ正反対のようなどっちもの『わたし』がいるので、日によってかける言葉を変えてあげようと思います。

ただ、パリでもしこのことと向き合わずに暮らしてたらどうなってたんだろうって思う。

日本にいるときに、頭痛薬を飲んでも全然治らない頭痛と無気力感に悩まされ続けて内科に行って色々検査したけど異常がなくてメンタルクリニックの受診を勧められたこともあったし、ストレスで3年に1回は緊急入院してたんですけど、いま考えるといつかもっと酷い形で限界が来てたと思う。

このことも、以前のわたしなら隠したかったと思う。

プロとして活躍してる人ってみんな強いと思ってたし。

でも、そうじゃない、わたしみたいな人もいるって知ったら安心する人もいるのかなって思う。

少なくとも、過去の『プロなんだから、いつも強くいなきゃいけないでしょ』って思ってたわたしにとっては一つの救いであることは確か。

ー完全帰国まで、あと23日ー

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この記事を書いた人

株式会社Locatell代表取締役社長 / 一般社団法人福知山芸術文化振興会 代表理事 / プロのクラリネット奏者としての活動を2023年9月で休止し、起業家として芸術文化・まちづくり・海外を軸に複数の事業を展開中

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