パリに住んでいてもしんどいものはしんどい

パリに住んで3年が経とうとしているのに、未だに街を歩いても自分がここにいることに対して違和感を感じるときがある。

これは東京に住んでいたときもあった感覚なのだけど、大阪やふるさとである京都府福知山市を歩いているときにはない感覚だな、って思う。

東京とパリの共通点は、都会であること、そして様々な情報が飛び交っていること。

それと『挑戦する場所』であるということ。

ただ、やっぱりパリに実際に来てみないと分からないことは本当にたくさんある。

パリの生活にすぐ馴染める人と馴染めない人がいるけれど、わたしは圧倒的に後者だった。

1年目はパリにいることが辛くなった時間が多かった。

そして、日本にいる人には『しんどいのは辛いね。でもせっかくパリにいるんだから、楽しんで』とよく言われた。

おそらく多くの日本人はパリは素晴らしい街に映っているからだろうか。

ただ、別にパリに住んでいてもしんどいものはしんどいし、どうしようもないのだ。

パリでは日本の出身地を聞かれることもよくあるけれど、そこで『京都出身です』と言うと、嬉しいことにほぼ全ての人が京都に良いイメージを持っているのが分かる。

ただ、京都にいれば良いことばかり起こるかというとそんなわけはないし、生活が合わないという人もたくさんいるだろう。

これは場所が京都であろうとパリであろうと同じなのに、なぜ多くの人は気づかないのだろうか。

日本は島国だし、なんと日本人のパスポート所持率はわずか24%しかないらしいので、海外で暮らすことはもちろん、行くことでさえ『イメージ』でしか語れない人がほとんどだからだろうか。

こう見えて(?)どんな場所でも過ごせるわけではないし、どんな食べ物でも合うわけではない・・自分で言うのも変かもしれないけど、結構繊細なんだと分かった3年間でした。

ただ、どこに居てもわたしは日本語を話し、日本語を話す日本人であるということは確かで。

昨日も雨の中で咲く桜を見つけて、不思議な引力に吸い寄せられるように近寄っていっていました。

日本で見る桜とパリで見る桜。

どちらも美しいけど、やっぱりわたしは日本で見る桜が好きだなと思う。

日本の風景と桜は本当によく合っているし、パリで桜を見たときに感じるのは、日本での生活に対する恋しさだったりする。

昨日は朝から予定を勘違いしてしまっていて、そのせいで別の予定をキャンセルせざるを得ない状況になり、気分転換にお気に入りのカフェに入った。

カフェラテ(Café Crème)を注文すると、ふかふかの泡がのっていた。

MALABAR(7区)

一口飲んだら、そのおいしさに疲れも吹き飛ぶような気がした。

気持ちや体が弱ったとき、自分にパワーが残ってないな、ってときは食べ物やお花、絵画や音楽などからパワーをもらうといい。

それはパリに来てすごく実感したことだ。

このカフェの雰囲気やここに来る気さくな人たちがとても好きで、元気のないときはここに立ち寄っている。


ただ、この場所に来たのは久しぶりだから、わたしは最近元気だったのだと思う。

3年前、フランス語が全然分からずコミュニケーションすることも億劫で家に閉じこもっていた自分に教えてあげたい。

3年後は、フランス語で会話することを楽しんでるよ、って。

ー完全帰国まで、あと29日ー

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この記事を書いた人

株式会社Locatell代表取締役社長 / 一般社団法人福知山芸術文化振興会 代表理事 / プロのクラリネット奏者としての活動を2023年9月で休止し、起業家として芸術文化・まちづくり・海外を軸に複数の事業を展開中

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